パーキンソン病による歩行困難と腰痛が主訴の患者様
パーキンソン病は、安静時振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢反射障害といった症状が現れます。
これらの症状を東洋医学では、段階により、
陰虚・・・体内の水(津液)や陰気の循環障害やそのものの不足
血虚・・・血行不良や血そのものの不足
により発症すると考え、陰虚や血虚の改善を目的とした鍼を行います。
写真上 治療前 血虚による下肢の筋緊張、津液の循環障害による浮腫み、皮膚の乾燥が強く、強張りや肌の痒みといった自覚症状もあります。
写真下 治療後 下肢の浮腫みが軽減し、ふくらはぎが全体に細くなっています。また、触診で筋緊張が緩和し、前脛骨筋(すねの外側の筋肉)、腓腹筋(ふくらはぎ表面の筋肉)等が柔軟になったことが確認できます。
東洋医学は全身治療です。
手足にある要穴と呼ばれるツボに鍼を行い、気血津液の循環・生成を補います。
加えて腹部、背腰部、患部に鍼やお灸を行い全身を整えます。
写真は、患者様が撮影に抵抗が少ない下肢のみですが、腹部や主訴である腰の浮腫みや筋緊張も改善しています。