多くの人が苦痛を感じたことがある「肩こり」。
現代人はパソコンやインターネット、手先の細かい作業、スマホの画面で細かいものを凝視するなど、肩こりが強くなりそうなことばかりをしています。また、精神的なストレスを抱えることも多く、これも肩こりの原因のひとつといえます。このような疲れから、肩甲骨内側の筋肉がこり出し、やがて肩全体のこりとなります。そして肩全体のこりが強くなると、今度は首や頭のこりとなるケースと肩・腕・肘・手首に及ぶケースがあります。
首・頭がこると頭痛・目眩・目の奥の痛みや眼精疲労・耳鳴り・鼻炎・歯茎の腫れなどが起こりやすくなります。肩・腕・肘・手首にこりが及ぶと、腕の痺れや痛み、四十肩五十肩、腱鞘炎などを起こしやすくなります。
寒さは肩こりに影響する?
肩こりは冬に限った症状ではないのですが、寒さの影響でその症状が強く出ることが多いものです。実際、患者様の中には「寒いと着る物が増えるせいか肩がこる。」といったことを言われます。着る物が増えたのも冬に肩こりが強くなる原因のひとつかもしれませんが、東洋医学的には原因は別にあると考えます。
その原因は、「手先・足先から入る冷え」だと考えます。
東洋医学の考える健康体とは陰陽の調和です。
体内の陰気と陽気がバランス良く調和し、全身を巡っている状態、これが「頭寒足熱」です
手足末端が冷えると、本来、末端まで行き渡るはずの陽気が追いやられるように上半身に滞り熱となります。
つまり、陰陽の調和の崩れた巡りの悪い身体となってしまいます。この滞った熱が「のぼせ」です。のぼせは肩こりを強くし、首や頭まで広がります。
このように冬場の手足末端の冷えは、思っている以上に身体に影響を及ぼします。
秋口から足下を冷やさないように気をつける、冷える環境で長時間過ごした日は入浴や身体を温める食事で回復するなどの手足末端の冷え対策を工夫しましょう!