1月も下旬に差し掛かりまだまだ寒さは続きますが、少しづつ日が長くなり、春が近づいていることを実感します。
寒いのが苦手な私にとっては嬉しいことですが、そんな春が憂鬱という人も多くみえます。
花粉症です。

東海エリアでは2月中旬頃から本格的に飛散が始まるスギ花粉。
もうすでに「何か飛んでない?」なんて声も聞かれますが、2月以降、花粉に反応して鼻炎、鼻汁、鼻閉、くしゃみ、目の痒みといった症状に悩まれる方が当治療室にも増えてきます。
東洋医学が考える花粉症
東洋医学では、花粉症の原因は花粉に反応してしまう身体にあると考えます。
東洋医学が考える健康体は「頭寒足熱」です。これは陰気と陽気の調和が取れた状態を指します。この陰気と陽気のバランスが崩れると花粉症を発症します。
春は陽気が旺盛になり、力強く発散する季節です。しかし、夜ふかしや胃腸を冷やす冷飲食などで陽気を消耗してしまうと、春になっても陽気の発散がうまくいきません。そして、発散しきれない陽気がのぼせとなって顔、眉間や鼻周辺に溜まり花粉症となります。
花粉症の症状を少しでも軽くするためには、陽気の発散を妨げる原因を取り除くことです。
頭部や上半身に発散しきれず残る陽気(熱)が多いということは下半身には陰気(冷え)が多いということになります。つまり、下半身を冷やさないことが大切になります。
また、暴飲暴食で胃を弱らせ陽気の発散を妨げていることも多いので、胃に負担をかけるもの、生野菜、乳製品、脂濃いものを食べない、冷たいものを飲まないよう気をつけることも大切です。
頭部や上半身の熱の発散を促す、下半身を温める、胃腸を温める。
これらは、はり灸治療の得意技。
本格的に花粉が飛散しだす前にはり灸治療でお身体を整えませんか?

↑ 人差し指、または中指で10秒程度、3〜5回ゆっくり押してみましょう!

多くの人が苦痛を感じたことがある「肩こり」。
現代人はパソコンやインターネット、手先の細かい作業、スマホの画面で細かいものを凝視するなど、肩こりが強くなりそうなことばかりをしています。また、精神的なストレスを抱えることも多く、これも肩こりの原因のひとつといえます。このような疲れから、肩甲骨内側の筋肉がこり出し、やがて肩全体のこりとなります。そして肩全体のこりが強くなると、今度は首や頭のこりとなるケースと肩・腕・肘・手首に及ぶケースがあります。
首・頭がこると頭痛・目眩・目の奥の痛みや眼精疲労・耳鳴り・鼻炎・歯茎の腫れなどが起こりやすくなります。肩・腕・肘・手首にこりが及ぶと、腕の痺れや痛み、四十肩五十肩、腱鞘炎などを起こしやすくなります。
寒さは肩こりに影響する?
肩こりは冬に限った症状ではないのですが、寒さの影響でその症状が強く出ることが多いものです。実際、患者様の中には「寒いと着る物が増えるせいか肩がこる。」といったことを言われます。着る物が増えたのも冬に肩こりが強くなる原因のひとつかもしれませんが、東洋医学的には原因は別にあると考えます。
その原因は、「手先・足先から入る冷え」だと考えます。

東洋医学の考える健康体とは陰陽の調和です。
体内の陰気と陽気がバランス良く調和し、全身を巡っている状態、これが「頭寒足熱」です
手足末端が冷えると、本来、末端まで行き渡るはずの陽気が追いやられるように上半身に滞り熱となります。
つまり、陰陽の調和の崩れた巡りの悪い身体となってしまいます。この滞った熱が「のぼせ」です。のぼせは肩こりを強くし、首や頭まで広がります。
このように冬場の手足末端の冷えは、思っている以上に身体に影響を及ぼします。
秋口から足下を冷やさないように気をつける、冷える環境で長時間過ごした日は入浴や身体を温める食事で回復するなどの手足末端の冷え対策を工夫しましょう!
生活習慣病の一つ「高血圧」。成人の半数以上が抱える病気です。
寒さの厳しい冬は暖かい時期と比べ、血圧が高くなる傾向があるため、血圧の高い人は要注意の季節です。

冬に血圧が高くなる理由
どうして冬は血圧が上がりやすいのでしょうか?
人間の身体は、寒さを感じると防御反応として身体の熱を外に逃がさないように血管が収縮します。その結果、血圧が上昇します。反対に暖かい場所では血管は拡張して血圧は下降します。
一日の中では、どんなときに血圧が上がるのでしょうか?
まずは、外と内の温度差が大きいときです。室内と外との温度差が大きすぎると血圧を上昇させ危険です。雪かきや買物のために暖房の効いた部屋から急に外に出るときや、暖房をつけていないトイレでいきむとき、特に早朝は注意が必要です。
拡がっていた血管が急に縮み、急激に血圧が上がると脳や心臓、腎臓へ悪影響を及ぼし、脳卒中や心筋梗塞になるリスクが高くなります。
また、熱すぎるお風呂は急激な血圧上昇の引き金になりやすく危険です。冬のお風呂は42度以下にし、ぬるめのお風呂で体の芯まで温まりましょう。寒い脱衣所と熱いお風呂との温度差もよくありません。脱衣所や浴室を暖めるなどの寒さ対策も行いましょう。

そして急激に気温が下がる日も要注意。急性心筋梗塞症が発症しやすいのは降雪日です。朝6時から10時までの間は特に注意が必要です。気温が5℃以下になる寒冷時や、朝晩で10℃以上の気温の変動がある日に頻発します。
予防のためにできること
脚を温めよう
「脚は第二の心臓」と言われるように、血行に大きく関わっています。 脚を温めることで血行を維持し血圧の上昇を防ぎましょう。外出する際には、二枚履きなどで冷たい外気を遮断するようにしましょう。
温度管理をしよう
部屋の暖房を効かせすぎると、外気温との温度差が激しくなるだけでなく発汗によって、余計に寒さが強く感じられます。 暖房は20度程度を目安にし、着る物で調整して外との温度差が小さくなるように工夫しましょう。
塩分を控えめに
「漬物」や「塩辛」などの保存食品は、塩分を多く含みます。また、冬場は忘年会やお正月、新年会など鍋物やご馳走を食べる機会が多くなり、知らず知らず塩分を摂りすぎてしまいます。温野菜を多めに摂ったり、雑穀を3割以上混ぜたご飯にするなど工夫しましょう。
鍼灸治療を日常の血圧管理に!
鍼灸治療は、脉・お腹・手足のむくみや乾燥などを治療の指針とします。脉は穏やかでお腹や手足は硬さやむくみ・虚弱さの無い、適度な柔らかさと温かみを健康と診ます。
逆に、脉が硬い・速い・強い。お腹や手足が硬い・冷たい・下腹部に力が無く上腹部に硬さや詰まりがある、といった状態は血圧も高くなりがちです。
鍼灸治療は不安定なお身体を穏やかに安定させることができます。
是非、ご活用ください!
朝夕、肌寒さを感じ、寒暖差が強くなってきました。
11/06 水曜日、秋の土用が明け、7日は立冬。
暦の上では冬に入ります。気候的にも徐々に冬らしさを感じ始めます。
寒くなると増えてくる症状のひとつに、ひざ関節痛があります。ひざの関節やひざ周りの痛みは、鍼灸院の中で腰痛や肩こりに次いで多い疾患です。
なぜ、寒くなるとひざ関節痛が増えてくるかというと、足の冷えと大いに関連があるからです。腰痛症も同じ理由が挙げられますが、冷えは足元から入ります。この状態が長く続けば続くほど、足全体、膝、お腹、腰と冷えが深くなります。
この時、体質的に胃腸が弱い、浮腫みやすいといった人は各部関節が浮腫みやすくなり、ひざの痛みに繋がります。
ひざは日常的に動かす範囲が広く、体重や動作により付加もかかるので、痛みが出ると改善に時間がかかります。

東洋医学のひざ関節痛に対する治療
当治療室では、「ひざが痛い!」という患者様に対しても、ひざ関節だけに施術を行うということはあまりしません。ひざにも、もちろん鍼灸をおこないますが、併せて腰や臀部に対しても鍼灸を行います。ひざが痛いのはひざの関節が悪いこともありますが、ひざ周辺の筋肉が傷んでいることがことが多く、腰や股関節が多く関係しています。
ですから、ひざ関節周辺のみの施術ではなく、腰や臀部といった部分の鍼灸も必要になります。その証拠に腰は何ともないよという人でも、触診中、臀部などを圧迫すると「あ!今押されたところ痛かった!」といった反応があります。
ひざが痛む時には、腰や臀部も硬い!
特に骨盤、股関節、腰椎が硬くなります。
これらの部分の冷えている深い筋肉、押して痛みがある箇所にしっかりアプローチする。
はり灸治療は幅広く対応することが可能です!
東洋医学の秋のとらえ方
秋は夏の暑さが和らぎ、日中の暑さを感じつつも朝晩は肌寒さを覚え、吹く風に爽やかさを感じることもある過ごしやすい季節です。また、収穫の秋とも言われ、すべてのものが成熟し果実は実り、葉は落ち、土に帰り始める時期。
東洋医学ではそんな秋を、夏の旺盛だった「陽気」が少なくなり、「陰気」が多くなる季節だと考えます。
陰気とは、固める、引き締める力です。
人体でも、活動的な春夏の旺盛な陽気から、秋には少なくなっていく陽気を体内にしまい込み冬に備えるといった変化が起こります。
また東洋医学では、秋は「体内の気を操作する肺」の働きが旺盛になる季節だと考えます。
肺が気を巡らせることで、皮膚表面を養い寒さやウィルスから身を守ります。肺がしっかりしていれば風邪などにはかかりません。逆に肺が弱っていて気の巡りは悪いと、抵抗力が弱い状態となり、寒さに負けやすく体調を崩しやすくなります。

秋に起こしやすい体調不良
『ギックリ腰』
秋は朝晩と昼間の寒暖差が大きく、気づかない間に手足末端は冷えが強くなり、逆に体幹や頭部はのぼせて熱くなります。
そんな状態が続くと、重い荷物を持ち上げたとき、くしゃみをしたとき、立ち上がった拍子に、腰の筋肉が引きつり、動けないほどの痛みになることがあります。
いわゆるギックリ腰です。
ギックリ腰は患部の筋肉が縄をギュッと絞ったかのように引きつっています。朝起きて顔を左右に動かすと痛みで動かせない「寝違え」も患部では同じような現象が起きています。これを無理にストレッチ的に動かしたり、揉んでみたりなどは避けた方が無難です。
痛めて1,2日の急性期は特に、ご自分でできることは安静が一番です。
お風呂などで温めてみて症状が軽減すれば、薬局で売っている電子レンジなどで温めて使用するジェル状の保温パッドなどで温めるのも有効です。
要注意なギックリ腰
多くの人が経験しているギックリ腰。
私の治療室にも、初めてギックリ腰を起こしたよ~。なんて人もいれば、何年か前にやって今回2回目、なんて人も来られます。こういった方々は自宅での安静療養でも改善していくことがよくあり、また、鍼灸治療を加えればさらに治りは早くなります。
しかし、何度も癖のようにギックリ腰を起こす人、椎間板ヘルニアや腰椎症などの神経根の疾患を患っている人のギックリ腰は要注意です。自宅療養では改善に時間がかかりますし、症状も激痛なことが多い。神経根に疾患を持っている方は筋肉症状だけではなく、激烈な坐骨神経痛症状が出ることも多くなります。
こういう方は普段の養生が大切です。特に秋は季節の移り変わりが原因で手足末端が冷やされます。そのため、暑い昼間はよいとしても、夜間などは不用意に冷える格好で就寝するなどは避けた方が良いでしょう。また、お腹が冷えれば腰も冷えます。令飲食はほどほどに、温かく消化の良い物をお薦めします。
倦怠感や睡眠不足、足腰の冷え、むくみを感じる場合は、鍼灸治療で体調を整えてください!